平成26年決算委員会 全部の補足質疑(10月17日)

子宮頸がんのHPV検査・胃がんピロリ菌検査

○根岸光洋委員  それで今年度は私ども公明党もこれまで強く要望してまいりました子宮頸がんのHPV検査の導入が実施をされました。5月から30歳、36歳、40歳の特に働き手といわれている女性の方の健康を守る、命を守るということで実施をされたということですが、この辺の状況はいかがでしょうか。

○佐野健康担当部長  HPV検査につきましては子宮頸がん検診の中でがんの細胞になる前のウイルスを発見する非常に早期発見の非常に強い武器ということで、今年度他の区に先駆けて豊島区が導入したものでございます。HPV検査の実施状況でございますが、5月の下旬からスタートいたしまして、9月末までの約4カ月間の間で対象者7,112人中、これまでに922名の方が受診をされております。受診率にいたしまして13.0%という状況でございます。

○根岸光洋委員  こちらは23区初ということで大変に注目もされていますし、豊島区もいろんな面で細かいところまでを手を入れていただいているなという実感がします。ただ、今の受診率にしますと、まだまだこれからふやしていかなくちゃいけないと思いますので、先ほどのほかのがん対策のものと含めまして、ぜひ向上するような施策をお願いしたいと思います。

それと同じように同様に、胃がんリスク検診の導入も8月から20歳の方、また、さかのぼって6月は40歳の方にABC検査、20歳の方はピロリ菌検査も導入されまして、胃がんの対策が大きく前進したというふうにとらえておりますけど、こちらについての状況はいかがでしょうか。

○佐野健康担当部長  胃がんリスク検診の実施状況でございますが、これにつきましては2つありまして、20歳の方を対象とするピロリ菌の検査、それと40歳を対象といたします胃がんのリスクを区分するABC検診というものでございます。まず20歳の方を対象としたピロリ菌検査の実施状況でございますが、これは8月からスタートしまして9月までの2カ月間で、対象者2,368人中107名の方が受診をしておりまして、受診率は4.5%という状況でございます。また、40歳の方を対象といたしましたABC検診でございますが、こちらは6月から実施をしておりまして、9月までの4カ月間で対象者4,929人中552名の受診がございました。受診率は11.2%という状況でございます。

○根岸光洋委員  わかりました。まだまだこれから受診率を上げていかなくちゃいけないと思います。この胃がんについての8割がピロリ菌であるということがWHOの専門組織国際がん研究機関が9月24日に全世界の胃がんの約8割がヘリコバクターピロリ菌の感染が原因であるという報告書を発表し、初めて国際的に機関がこの認定をした、断定をしたということで、大変に効果があるということを認め、これについて私ども公明党としましても、ずっとピロリ菌、ピロリ菌ということで申し上げてまいりまして、区も取り入れてくださったわけですけども、このピロリ菌の除去で胃がんの発生を3割から4割減少できるということもあわせて報告がされております。全胃がんの78%、特に日本人に多い噴門部、胃と食道のつなぎ目以外の胃がんでは89%の方がピロリ菌が原因だと推定がされていると、こういうふうにも報告がされております。特に東アジアを中心に、世界で100万人が新たに胃がんを発症し、約72万人が死亡しているというようなことも伝えられると。日本人のピロリ菌の感染者は3,500万人ということで、多くの方がかかっているというふうに言われてございます。年間の胃がんの発生率、また胃がんの死者数も高い位置を示しているというふうになってございまして、このピロリ菌の除去の問題については保険適用すべきではないかということで、これもいろいろさまざま、党としても国会でも取り上げてまいりまして、2013年、昨年の2月からピロリ菌感染を保険適用、内視鏡で慢性炎と診断された方にも保険適用されるということで、非常に受ける方が多くなって、除菌した人が保険適用後は年間100万人を超えて2020年には胃がんによる死者数が大幅に減っていくとの見通しが示されたというふうに報告がされております。そういう意味でもこの豊島区が今、ピロリ菌検査、ABC検査をすることによって早目に手を打っていくということは、今後の豊島区の区民の健康を守る、またいろんな医療費の抑制を含めて大変な効果があると、このように私どもは評価しているところでございます。

それで実は一方で、中学生や高校生でも5%が感染していると、このように言われています。がん教育の中でもさまざまがんに対する教育が今、教育委員会のほうでされています。豊島区が先進的にされて、各自治体からも視察が来ていますが、こういった20歳でピロリ菌検査ができるということがことしから始まったことについて、ぜひ、がん教育の中でもそういったものを取り入れていただきたいなと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。

○清野教育指導課長  がんに関する教育を全校で開始をいたしまして、もう3年目を迎えるわけでございますが、がんに関するそういった知見というものも時代とともに進化してまいりますので、今、委員御指摘のような内容も今後教員に周知をいたしまして、このがんに関する教育の中に組み込んでいきたいというふうに考えております。

○根岸光洋委員  ぜひよろしくお願いします。大阪府高槻市では中学2年生を対象にピロリ菌対策授業というのを始めたと聞いております。これは尿検査から治療まですべてが無料で受けられるという全国でも珍しいそういう特筆なものでございまして、3,200人の中学2年生にピロリ菌の感染を調べて、除菌ができるまでサポートするということでございます。そのほか一般の市民に対しても30歳から60歳までの5歳刻みでピロリ菌の抗体を調べる血液検査が盛り込まれて、500円の自己負担で受診できるようになったと。このようなこともお伺いしております。ぜひ豊島区においてもピロリ菌検査、ABC検査の拡大拡充について、来年度に向けて予算編成していただければと、こういう希望を持って質問を終わりたいと思います。

○佐野健康担当部長  御質問の中にありましたが、先月、WHOが公的機関として初めて胃がんの感染の原因の8割がピロリ菌であるという発表をいたしました。これは非常に画期的なことでございまして、ピロリ菌が非常に胃がんの予防にピロリ菌の除菌が有効だというのを裏づけられた形になったわけでございまして、私ども先立って、先んじてこのピロリ菌の検査を導入したことにも自信が持てる状況になりました。

今後の拡大というお話でございますが、このピロリ菌除菌につきましては、区民の皆様を胃がんによる死亡率罹患率を下げるために大変有効であるというふうな検証もこれでされましたので、今後区といたしましても1人でも多くの区民の皆様を胃がんから守るために医師会と協議をして、その上で対象の拡大を進めて検討していきたいというふうに考えております。