平成28年決特  根岸 9月30日福祉・衛生費

胃がんリスク、ピロリ菌

○根岸光洋委員 また一方、先ほども話しました胃がんなんですが、胃がんについては、年間で約5万人の方がお亡くなりになってきているということで、死亡率の中でもかなり上位を占めているという胃がんですが、これについては、従来から私ども公明党としましても、ピロリ菌検査の導入ということで、胃がんの死亡数を減少させる、胃がんになることを減少させることが大変重要ではないかということで、都度都度取り上げをさせていただいております。

ピロリ菌検査も、一昨年から導入をされていますが、その状況についてお伺いいたします。

○常松健康担当部長  胃がんリスク検診ということで、20歳につきましてピロリ菌の検査、40歳についてABC検査というのを平成26年から開始をさせていただきました。こちらにつきましても、執行額で申しますと、着実に伸びているという状況でございます。

今後、このピロリ菌の対策をどういうような形でやっていくのか、特に昨年からは転入者の方につきましても、こういった検診をしているんだということを知っていただくために、勧奨の通知を差し上げているなど、地道な取り組みをしているところと考えております。

○根岸光洋委員  あわせて、胃がん検診については、ピロリ菌とちょっとまたありますけれど、内視鏡の検査の導入というのも検討がされているということで、これとピロリ菌とはちょっとまた別かもしれませんが、今後のがん検診のあり方として、内視鏡検査の導入というのはどのような検討状況になっていますでしょうか。

○常松健康担当部長  厚労省から、方向性として内視鏡を認める形になって、今検討させていただいているところでございます。実際には、内視鏡、要するに胃カメラと言われるものですけれども、映像をきちんと評価をするレベルを、医療機関ごとにその判断の基準がずれてしまいますと、統一的な検診という意味で、少し正確性に疑問が生じてしまいますので、今そのあたりを医師会の先生方と一緒に顔を合わせながら、どういう形で統一化を図っていくことができるんだろうかと考えているところでございます。

医師会相互の中でレベル合わせをしていただくという方法が1つで、もう1つは、集中的に実施をすることにして、必ず2人でやっていただくわけですけれども、そのあたりの集中化をしていくことで、検査されるお医者さんによる個人差みたいなものを解消していく方法を考えておりまして、平成29年度から実施するのはちょっと難しいのかなと思っておりまして、平成30年には何とか実施をしたいと考えているところでございます。

○根岸光洋委員  ぜひ前向きになるべく早目に検討いただきまして、正確性というか、上でも進めていただければなと思っています。

一方、先ほどのピロリ菌に戻りますけども、ピロリ菌検査は内視鏡検査で慢性炎と診断された方にも、平成25年から保険適用がされたということで、それまでは10万人ぐらいしか、あった場合の除菌治療を受けていなかった方が、150万人に一気にふえているという現状、15倍ですか。

その中で、要するに胃がんの死亡数が、短い3年ちょっとの期間でございますけれども、大幅に減ってきたのかなと思います。一説によりますと、年間5万人で亡くなる方で推移してきた胃がんの方が、昨年は4万6,700人ということで、3,300人も減ったという、この数字がピロリ菌除去によるものかどうか、すべてとは言いませんけれども、そういった傾向によって、胃がんの対策への皆さんの関心というか、またやり易さというか、保険適用されてきた、さまざまな面からそういったものが取り組まれてきているのではないかと思っております。

我が党でも国会で国会議員が取り上げまして、保険適用について大きく寄与したわけでございますけれど、さらに区でもこういったピロリ菌についての拡充をしていただきたいなと思って、これから質問させていただきたいと思います。

現在、20歳に加えて30歳の方、また40歳に加えて50歳の方と、ピロリ菌の対象検査、ABC検査等が拡充されてきましたが、こちらについての動向、受診率についてはどうなっているでしょうか。

○常松健康担当部長  ピロリ菌の状況につきましては、御指摘のとおり、ほかの区にはない当区の取り組みと自負をしております。

具体的には、ピロリ菌も順調に伸びておりますけれども、今課題となっておりますのが、できればもっと早く、20歳と30歳であれば、20歳のときで受けていただいたほうがいいと思っているんですけれども、どうしてもやはりそこまで、非常にお若い方は健康ですので、健康に対する関心がいまひとつというか、自信があるのかなと思っておりますけれども、そのあたり、特に若い方に向けたピロリ菌の検査の必要性、あるいは意義というようなことについて、今後またPRしていきたいと考えております。

○根岸光洋委員  それで、今、特に若い方が受診されたらよろしいというお話で、このピロリ菌が胃がんの原因のすべてとは申し上げませんけれど、WHOの専門組織、国際がん研究機関が平成26年9月24日に発表した、初めて公表した中には、世界の胃がんの約8割がヘリコバクター・ピロリ菌の感染が原因であるという報告書を出したということで、国際的に初めて機関が認めたということになってございます。それも後押ししたように、今、ピロリ菌検査が進められているわけでございます。

当然、内視鏡検査でピロリ菌がなかったとしても、1年とか2年とかの間に内視鏡検査をするとかいうことも当然必要でございますけれど、大きく寄与しているのではないかと思ってございます。

今、部長がおっしゃったとおり、若い方、特に二十未満の方のピロリ菌罹患率が5%とか9%とか非常に少ないと言われていますけれど、これについて、私も以前指摘させていただきましたが、大阪府の高槻市の中学2年生を対象に、ピロリ菌対策の事業を始めたということで、これは尿検査から治療までのすべてを無料で受けられという、全国的に珍しい検査であったということで、200人の中学3年生にピロリ菌の感染の有無を調べて、除菌ができるまでサポートするということが行われ、一般の市民は30歳から60歳までの5歳刻みでピロリ菌の抗体を調べる血液検査が盛り込まれていると。これは500円の自己負担があるということですが、中学2年生全員に受けさせていく。特に尿検査でできるということは、血液検査というのはございませんので、非常に簡単と言ったら変ですけれども、簡易にできるのではないかなと思って紹介したことがございますが、他の自治体のこういった中学生、また若年者に対するピロリ菌の検査についてはどのような動向があるかお聞かせください。

○原田池袋保健所長  高槻市のみならず、非常に進んでいるのが北海道と、あと関西の地域でこういったことが進んでいるということは認識しております。

ただ、委員も御存じかと存じますが、治療に関しまして、小児科領域でこれを積極的に進めるかどうかというところについては議論がございます。というのが、この薬剤自体が通常、小児に使わないものでございまして、添付文書上も小児に対する安全性は確立していないということで、現在、実績と申しますか、薬剤についての副作用等が蓄積されている段階かなと思います。

こういった先駆的に行われている自治体におきましては、専門の大学でありますとか、医療チームがきちんとそういったものをフォローしているということで、積極的に進めていらっしゃるものと認識しております。

○根岸光洋委員  承知いたしました。

それで、今、尿検査は、特に私もどういうふうに、本区では血液検査ですけれど、尿検査の場合は過去にピロリ菌がかかっていたことは調べられるが、現在、罹患しているかどうかはわからないようなことも聞いたことあります。呼気の検査についても、同様なものがあると聞きましたが、血液と呼気と尿、昨年は医師会さんでも尿検査で二十代の方やられたと聞きましたけれど、この3つの検査について、ピロリ菌の有無というのは、どういうような正確性というか、適合性というか、費用の面も含めてあるのでしょうか。

○原田池袋保健所長  確かに血液、尿につきましては、抗体検査を行いますので、過去のものまで出てしまう、それはおっしゃるとおりでございます。例えば治療した後の方も抗体が出てしまいますので、治療後の陰性化には使いません。すぐには。

ただ、呼気については、はっきり存在があれば出てまいりますので、実際的にはこれが非常に有用なものと考えられております。

恐れ入ります。費用の正確なところは、私も認識しておりません。申しわけございません。

○根岸光洋委員  ぜひ費用面についてもいろいろ調べていただいて、確かに治療する薬について、子どもたちの健康についてどういった影響があるか、まだわからないところだと思いますが、先進的にやっている地域、自治体ございますので、ぜひ調べていただきたいと思いますし、ともにできましたらば50代以上の方は一度受ければ、ピロリ菌があるかないかわかるということでございますので、先ほどの前立腺がんは2年に一遍やっていくということを含めますと、ぜひピロリ菌については、50歳以上の方については、一生に一度でも結構ですけれど、受けられるような予算措置をしていただくなり、また若年の方に対しても措置をしていただくように、今後、さまざまな形で検討していただくことを要望させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。