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平成25年予算特別委員会 福祉・衛生費( 3月 4日)

胃がん検診にピロリ菌・ABC血液検査導入を

○根岸光洋委員 それで、話を胃がんのほうに戻しますけど、ピロリ菌の除菌薬に保険が適用されるということで、厚生労働省が2月21日にそのような胃がんの大きな原因となるヘリコバクター・ピロリ菌の感染による慢性胃炎について、除菌治療に用いる複数の薬剤を保険診療の対象に拡大することを承認したと、このような報道がございました。

一般質問でも取り上げさせていただきましたけど、このピロリ菌、呼気検査、また血液検査で、その菌の感染を調べて、内視鏡で胃炎と確認されれば除菌治療を保険適用するということで、1週間程度、薬を飲めば除菌でき、再感染のおそれは低いと言われています。

これまでもそういった方法で除菌をされていましたけど、全額自己負担ということで、1人当たり数万円という高額な治療代だったというのが、今度、保険適用されることによって、人にもよりますけど、6,000円前後の支払いで済むということで、大変にこういう胃がんの撲滅については大きな前進じゃないかと思っております。

胃がんは、もう皆さんも御存じのように、毎年12万人の胃がん検診、胃がんと診断され、また胃がんで亡くなる人が年間5万人で、今現在、がん死因の第2位となっているということで、こういったピロリ菌の感染を調べることで、約3,500万人いるという日本人のピロリ菌感染者を調べることによって、早期に発見をして、早期に胃がんの対策ができるということでは、大変にすばらしい取り組みじゃないかと思っております。

また、20代の方に、このピロリ菌の感染を調べたという方が、いわゆる9割はかかっていないと。ある一定年齢の方を超えるとかかっているということで、一定というのは50歳以上の日本人の45%以上がピロリ菌に感染されているということも言われているわけですけど、そうなると、こういったピロリ菌の検査というのをしていけば、これから若い世代の方にしていけば、ピロリ菌の撲滅といったら変ですけど、感染を外し、また、そういった方が今まで従来やっている胃がん検査を受けなくても済むという、そういうようなケースにもつながっていくのかなとも将来的な展望を考えるところでございます。

それで、今、一般質問でもこの間しましたけど、この中で特にピロリ菌のところで、呼気とともに血液検査であるABC検診という、スーパーハイリスク検診について、導入をすべきじゃないかという質問をさせていただきました。それについては、前向きに検討していくというお話でございましたけども、いま一度、このABC検診についての検査方法としては、どのような位置づけというか、考えがあるのか、まずお聞きしたいと思います。

○佐野健康担当部長  おっしゃるとおり、胃がんの原因と言われておりますピロリ菌の除去が大変重要だということが、医学的研究の中で進んでまいりまして、おっしゃったように、先般、これまでは胃潰瘍とか胃がんとか胃の重篤な病気にしか保険が適用されていなかったものが、胃炎等でも、軽い胃の病気でも適用されるようになったというお話がございました。

先般の一般質問の中でも、この胃がんの検診の手法といたしまして、ABC検診を導入したらいかがかという御質問がございまして、それに対しては、区としても現在、胃のバリウム検査で検診を実施しているわけですけども、胃がんの可能性の高い方と低い方の振り分けを事前に行うという手法のABC検診というのをやるということは、非常に胃がん検診全体を現在の医学の検診技術等で考えた場合は有効だという考え方をしております。

そうしたことで、このABC検診については、ほかに胃のバリウム検査、それから胃カメラといったようなやり方があるわけですけども、総合的にどういった方法が最も現段階でいいのか、医師会と十分に協議をした上で判断してまいりたいと思っております。

○根岸光洋委員  ぜひよろしくお願いします。

23区においては、目黒区と足立区の2区が導入を既にしているということでございますし、体への負担、血液検査で済みますし、費用も数段安く済むんじゃないかという試算がございますので、ぜひ前向きに検討していただいて、先ほどの前立腺がんとともに、特にそういった健康診断の中で取り組めるような、そういったものにしていただければなと思っております。