平成23年 3月 7日予算特別委員会、特別会計

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住宅改修と福祉用具についての受領委任払い制度

 

根岸光洋委員  私からは、居宅介護、住宅改修、福祉用具購入受領委任払い事業です、これについてご質問させていただきます。
従来償還払いということが原則であるということで、従来から住宅改修と福祉用具の購入について、この支給方法が今回から受領委任払い制度を導入するということで、私ども公明党としましても毎年の毎回の予算要望の中でも強く要望してきたものでございまして、来年度から新規拡充事業として提案されたということで、高く評価をさせていただくところでございます。
まず、この住宅改修と福祉用具についての受領委任払い制度の内容についてお聞かせください。

○山澤介護保険課長  住宅改修と福祉用具につきましては、介護保険制度上は原則として償還払い、つまり一旦利用者の方に全額を、10割分を納めていただいた後にその領収書をもって区に申請をしていただき、9割を戻すというシステムでございました。これは今も原則でございます。しかし、この方法によりますと、とりわけ低所得者の方などは、いっときであれ、短期間であれ、10割を負担しなければならないという非常に負担の重いものでございました。
今回の受領委任払いにつきましては、ほかの介護保険サービスと同様に初めから利用者の方には1割を負担していただけばいいという利便性の向上を図ったものでございます。

根岸光洋委員  わかりました。
それで中身について具体的にお伺いしたいのですけれども、この福祉用具の対象となるものと、どんな用具が利用されているのでしょうか、これについてお聞かせください。

○山澤介護保険課長  福祉用具と、それから住宅改修でございますけれども、重立ったものといたしましては、例えば住宅改修ですと手すりの取りつけ、それから段差の解消などが重立ったものでございます。
それから福祉用具については、入浴補助具とか、それから腰かけ便座とか、そんなものが重立ったところになっているところでございます。

根岸光洋委員  両方お答えいただきまして、ありがとうございます。
それで、これは私も詳しく内容をうかがい知れないところがあるのですけれども、例えば、これは基本的にはこの制度を使える方というのは介護認定をされている方すべての方がこの両方どんな制約もなく使えるということで認識でよろしいのでしょうか。

○山澤介護保険課長  すべての方かといいますと、例えば福祉用具なんかにつきましては一部軽度の方は特例を除き使えないものもございます。
住宅改修については介護保険に該当の方、また介護保険に該当しなかった方の場合には区の一般施策として実施をしているところでございます。

根岸光洋委員  わかりました。
それで、この豊島区の社会福祉を見てみたのですけれども、介護給付と予防給付ということで分かれて実績というか、それぞれの件数と金額が載っているのですけれども、これを見てみますと介護給付は、件数です、この福祉用具、住宅改修ともにそんな大きな伸びはないと。大体600件の後半から、それで住宅改修も大体400件の後半から、金額もそれなりの金額で推移していると思うのですけれども、この予防給付を見ますと福祉用具の購入の件数がこの3年ぐらいで倍になっていますし、住宅改修もかなり増えていると、このように件数自体は少ないですけれども、こういう傾向がありますが、これについて何か内容について傾向をとらえていますでしょうか。

○山澤介護保険課長  一つは、やはり高齢者の自然増というのがあろうかと思います。
もう一つは、やはり介護保険制度、10年を過ぎましたけれども、10年というのは長いようで、まだまだ根づくには短い期間かと思っております。そういう中でだんだんと増加をしてきたと受け止めてございます。

根岸光洋委員  わかりました。
もうちょっと何か細かい内容があるのではないかとも思うのですけれども、私も調査してみたいと思いますが、ぜひ何かつかんでいただければと思います。
それと今回の受領委任払いについては、過去にも結構利用者から要望などがあったと思うのです。それについて何か特段あればお知らせください。

○山澤介護保険課長  私どもも、いろいろな区民の方からご相談を受ける中で、住宅改修にせよ、それから福祉用具にせよ高額なものになりますと20万円とかという形になりますので、とりわけ低所得者の方からはなかなか負担がきついんだというお声はいただいていたところです。

根岸光洋委員  あと、他区はどうでしょうか、状況は。

○山澤介護保険課長  実は他区の状況、とりわけこの第4ブロック、近隣区は、意外とこの受領委任払いを採用しているところが少なくて、中野区と練馬区が住宅改修のみ実施をしておりますけれども、杉並区、板橋区では全く導入しておりません。したがいまして、今回豊島区が住宅改修と福祉用具両方について受領委任払いを導入いたしますと第4ブロックでは初めてということになります。

根岸光洋委員  大変他区に先駆けてそういった取り組みをしていただけるということで、高く評価させていただきます。
あと、この導入するに当たって課題等はあると思うのですけれども、この辺についてはどのようにお考えがございますでしょうか。

○山澤介護保険課長  先程もご説明いたしましたけれども、受領委任払い、福祉用具と住宅改修につきましては原則は償還払いでございます。したがいまして、この受領委任払いを採用する場合にはステップを踏まなければなりません。まずは業者の方々に協議をして、そして登録をしていただきまして、その上で採用方法について研修を受けていただくという段取りを踏んでいただく必要がございます。

根岸光洋委員  わかりました。
それで今まではこういった償還払いと、また何か資金がない方には貸し付けみたいのもあったとお伺いしています。そういった方が本当に一旦全額払うというのはかなり高額な場合もございますので、こういったものができて大変に喜ばしいことだと思います。

最後になりますけれども、委任払い制度の導入によって、この介護の当事者というか、区民の利便性に資するものは何なのかと、そういった何か別の効果も考えられるのか、お伺いしたいと思います。

○山澤介護保険課長  先程もお話ししましたとおり、当初から介護保険のほかのサービスと同じように1割負担でいただけるということに加えまして、介護保険制度の中ではその適正化というのが重要な課題となってございます。今回の受領委任払いを導入することによりまして、10割分のうち9割分については直接区が業者にお支払いすることになりますので、そういう意味ではより適正化が図られるのではないかと期待をしているところでございます。

根岸光洋委員  いろいろとお伺いしましたけれども、この制度を導入していただきまして、大変にいいことだと思いますし、これからますます高齢化が進展してきますし、住宅の改修等、またそういった福祉用具を必要な方も事務手続きも便利になり、また貸付制度とかそういったものも逆に減ると思いますけれども、簡単になるということで大変にいいことだと思います。ぜひこれからもこういった介護の当事者のニーズに合った制度をまたますます進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。