平成24年決算委員会 文化商工・教育費 根岸発言(10月18日)

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インターナショナルセーフスクールの承認取得

○根岸光洋委員  根岸光洋でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、私のほうからは、インターナショナルセーフスクールの承認取得事業についてお伺いします。

款別でもございましたけれども、セーフコミュニティの世界認証を豊島区が取得したということで、その活動の重点課題として、学校の安全、そして校内におけるけが、自転車による交通事故の予防、そういったものを対象とした取り組みが推進されてきているところでございますけれども、このセーフコミュニティに対しましてセーフスクールは数としては少ないというふうに伺っています。世界の学校での取り組み、約40校ぐらいと聞いていますけれども、こういう取り組みについて大まか教えていただきたいんですけれども。

○山本教育指導課長  インターナショナルセーフスクールにつきましては、基準としては本区でも同じですけれども、基本的に学校の安全と、それから安心について、システムを根本的に見直すことによって認証を得る。また、その認証に基づいて継続的な取り組みを行っていくということで、基準そのものに違いはございません。

ただ、視察をいたしました韓国等の取り組みなどの中でも、やはり、参考にさせてはいただきましたけれども、通学路の安全を改めて点検をするとか、あるいは校内でけがが重点的に発生する場所をみんなで共有して、それを減らしていくためにはどうしたらいいのかと、そういった取り組みについて行っております。今回私どもの朋有小学校でもその点については学ばせていただきました。

○根岸光洋委員  ありがとうございます。2010年の11月16日に朋友小が取り組み宣言をしてから2年ぐらいかかって、いよいよもう最終段階というか、この間も現地調査があったとお伺いしましたけれども、朋友小が今、区内で選定された理由と、そして朋友小のこれまでの取り組みについて簡単に御説明いただきたいんですけれども。

○山本教育指導課長  朋有小学校は、御存じのように区内の学校の中でも極めて広い学区域を持っております。いわば本区の高密都市を象徴するような場所に立地をしていることから、子どもたちの通学路の安全という観点では非常に課題がたくさんございました。また、年間に、実は学校の中で多くのけがが起こるというのを私たちはわかってはいたんですけれども、改めて確認をいたしましたら、実に2,000件を超えるようなけがが発生をしていたということがわかりました。

これらをできるだけ見える化、データ化することによって、いつ、どのように、どんな状況でけがが発生しやすいのかということについて、子どもたちの取り組みを教職員ともども行うことによって、子どもも大人も、そしてまた、それを支えるPTA、地域の方々も一緒になって朋有小学校の校内の安全ということについて考えていくといったことが一番大きなことだったかなというふうに考えております。

御案内のように10月7日に現地審査を終えまして、その席上、審査員の先生方からは、朋有小学校は世界のセーフスクールの仲間入りですという力強いお言葉をいただきましたので、一応私どもはこれで胸を張って認証式に臨めるものというふうに考えております。

○根岸光洋委員  わかりました。私も学校に伺ったときに、掲示板、特に保健室ですかね、ああいうところに、廊下に、いろいろさまざまなセーフスクールの取り組み、また児童の方が歩いて学校の中を点検して、その箇所をシールで張っていくとか、本当、今、指導課長がおっしゃったように、まず目に見える形で学校の安全をやったということはすばらしい取り組みだと思いますし、一番すばらしいなと思うのは、やはり子どもの目線で危険な箇所をみずからが見ていくという。大人が見てここは危険だなという箇所は今までもあったと思うんですけれども、それを子どもの目線で見たということで、テーマとして、またセーフマンという、子どもがみずからアイデアを出して、ヘルメットとそういったマントを着て、何かコンクールをやったとか、そんな話も伺っていたんですけれども、本当に子ども自体がみずから取り組むというところと、また先ほどありました地域の方も一緒になってまち歩きをして点検されたということが非常に重要なポイントではなったかなと思います。

ただ、その中で1つ私がちょっと疑問に思ったというとあれなんですけれども、実際に子どもたち、また保護者、地域の方が歩いて危険だと思われる、これ、校内を含めた校外、春日通りという大きな通りがありますけれども、このポイントを落とし込んだものと、実際に交通事故なりけがなりが起きたポイントとのずれがあったというのを伺っているのですけれども、この辺の認識についてはどういうふうにとらえていらっしゃいますか。

○山本教育指導課長  事実として事故が起きるポイントと、それから実際に通学をしている子どもたち、実はここには保護者もかかわっていますけれども、ここは危険だねという認識と実はギャップがあるということは、今回の取り組みでもわかっております。

大事なのは、そのギャップがどうして生まれるのか。危険とは思っていなかった箇所が実は事故は多いとなれば、そこへの重点的な対策も必要になってくるということがありますので、そうしたギャップが生じたときこそ、むしろ改善のチャンスかなというふうにとらえる。そういう視点をセーフスクールは大事にしているというところもございます。

○根岸光洋委員  まさに今、指導課長がおっしゃったとおりのことだと思いますし、今まで危険だと思われていたところがむしろ危険なんだという意識で事故を防いでいたというところがあったんでしょうけれども、逆にそうでないところに事故があったのかなと。そういうような逆転の発想ができるのかなという意味でも、このセーフスクールの取り組みというのは非常に重要だったなと思います。

この2年間の点検、またいろいろな箇所、危険箇所の吸い上げとか、子どもたちの取り組みをやってまいりましたけれども、この成果というのはどういうふうにとらえられていらっしゃるのでしょうか。

○山本教育指導課長  成果につきましてですが、けがや事故というのは起こり得るものだと。この前提でまず立ち向かっていかなければいけないということが今回改めてわかっております。ただ、重篤なけがを起こさないためにはどうしたらいいのか。1つでもけがを減らしていくためにはどうしたらいいのかという取り組みの確かな視点が今回の取り組みによって明確になってきたというところが一番大きいところだと思います。

それから、もう1つ挙げたいのは、地域の方々が本気になって朋有小学校をサポートしてくださるような、そういう体制が今回かなり濃厚になってきたという部分がございますので、これらの成果につきましては他の学校にもぜひ啓発を、これからの作業になりますけれども、進めていきたいというふうに考えております。

○三田教育長  この審査の10月7日の当日、私、最後のまとめということで、子どもたちに話したメモがあるのですが、これが恐らく今、委員が御指摘の成果につながるだろうというふうに思いまして、ちょっと紹介させていただきます。朋有小学校なので、「ほうゆう」でまとめさせてもらったんですが、「ほ」は、本気で事故、けがの防止、予防に取り組みましたと。「う」は、うんと統計データから学んで、見える化し、知恵と工夫の足跡をたくさん積み上げてきましたと。それから、「ゆ」は、安全行動力に挑戦する勇気、友情、セーフマンを育てて朋有小の心を1つにしてきました。それから、最後の「う」は、うまくいったわけは、継続は力。2年間のセーフスクール、あるいは取り組みのバトンリレーを今後もしっかり続けていくことでこの力が大きくなるだろうと、そんなふうにまとめさせていただきました。これが次の3年後の審査につながっていくように、また、ほかの学校にセーフスクールにチャレンジする学校が出てくるように、今後もしっかり応援していきたいと、そんなふうに思っております。